とにかく赤毛の男子が好きだ

見たものの感想とか

ソコヴィアから吹く千の風の中にピエトロ・マキシモフはいる



問い: マーベル・シネマティック・ユニバースにおけるピエトロ・マキシモフは、私たちを置いてどこへ行ったのか?

(ピエトロについてめっちゃ考えた深読み感想です)






※当記事はキャプテンアメリカ: シビルウォーのネタバレを含みます。載せてある台詞はたいていうろ覚えなのでニュアンスでご理解下さい。





シビルウォーは本気出して初日IMAXで見たのですが、エンドロールが終わり明るくなってフォロワーさんと劇場から出るとき「ピエトロ・マキシモフいましたね」って言ったら「別の映画見てたの?」て言われたんですよ、いや同じ映画でしたけども。


完全に頭おかしい人みたいになってましたからね、初回シビルウォー見たあと、あれピエトロ・マキシモフは?て1番はじめに思いましたから、そのあともずっと「速すぎて見えんかったなー」てうわごとのように呟いてましたから。



しかしながら現実は厳しく、また映画の権利問題も厳しく(エヴァン・ピーターズはなにしろ最高でしたけども)、事実上、IMAXの素晴らしい映像を持ってしても、瞬きをしないようにしても、音速の物体を見破る目を持っていても、ピエトロ・マキシモフはシビルウォーに登場しない、タヒチから帰ってこない。


けれど彼の通った軌跡に吹きまくる風が、シビルウォーでも確かに感じられたのです。




(ここからAoUにおけるピエトロ・マキシモフについての記述です。長いのでCWにおける彼についての記述まで飛ばしていただいても大丈夫です。ほとんどうわごとです。) 




●エイジ・オブ・ウルトロンにおけるピエトロ・マキシモフについて





MCUでピエトロ・マキシモフが映画本編に初登場したのがAoUです。

彼とその双子の妹ワンダはトニー・スタークに恨みを持つ双子として登場します。

その後なんだかんだあってアベンジャーズ側に加担することになるのですが(忘れた人はwiki見て)、そのなんだかんだの中で彼らの生まれ故郷であるソコヴィアは浮上し、双子は彼らの力を使ってウルトロンの軍勢と戦うことになります。



AoUで双子の印象的なシーンは、ワンダとバートンの会話のシーン、そしてもちろんピエトロの死のシーンでしょう。



「扉を開けたら君もアベンジャーズだ」バートンはそうワンダに言います。「ここにいるのならだれか迎えを寄こそう」そして「俺はベビー・シッターはごめんだ」とも。

バートンはワンダに「アベンジャーズ」としての選択肢を与え、そしてワンダは扉を開け、アベンジャーズとなるのです。

(このシーンの次のピエトロがワンダをお姫様抱っこしてkeep up old man! て言って去って行ってバートンが「ここで撃ってもバレやしない ウルトロンが殺したって言ってやる…」てなるシーン爆萌えしませんでした?したよね?ね?)



そしてもうひとつの重要なシーンは、我らがピエトロ・マキシモフの死のシーンです。


はぐれて逃げ遅れた少年のため、バートンは遮蔽物のない場所へ飛び出します。奇しくもそこにくそメンヘラロボット野郎ことウルトロンくそ野郎が銃を撃ち込み、バートンは覚悟を決めました。しかし彼は再び瞼を開けることができ、彼の眼の前には身体を撃ち抜かれたピエトロ・マキシモフがいるのです ウワーン!くそ野郎!地獄に堕ちろ!!!


「速すぎて見えなかった?」ピエトロは目を見開いたまま地に倒れ、そしてそこで青緑の瞳を閉じます。その横で少年は瞳を開け、抱き起こされるのです。

ピエトロを連れて救命艇に乗ったバートンは、彼を横たえ、また自身も椅子に横たわり、「長い1日だった」と言います。ピエトロとバートンは並んで、仰向けに寝そべって、2人は同じくヒーローとして1日を終えたのです。



ピエトロ・マキシモフはかつての自分のような、ソコヴィアで死に直面する少年を救い、そして死んでいったのです。

またピエトロの名は彼が救ったバートンの第三子の名になり、彼の名前と記憶は次世代に引き継がれました。




●CWにおけるピエトロ・マキシモフについて




さてここからが本題です。



そもそもCWのキャストクレジットにアーロンテイラージョンソンいなかっただろって?うるせえ!祟るぞ!お前が掃除機を使うたびにことごとくノズルが詰まれ!!!


彼が本当に死んだのか?ということなのですが、マーベルの偉くてすごい人ケヴィン・ファイギによると "Quiksilver is DEAD. 100%, he's not coming back any time soon, there are no plans. "ということで、どうやらマジに死んでいるようです。

(ソース元: http://www.vcpost.com/articles/65281/20150512/quicksilvers-future-revealed-avengers-age-ultron-kevin-feige-talks-aaron.htm


そして劇中でもその名前は呼ばれることはなく、ワンダやバートンですらも彼について言及はしていません。四面楚歌かよ。

しかし無から有を生み出すのがおれたちファンガールの仕事。まかしとけよな!合言葉は「ピエトロの風を感じる」です。



「ピエトロの風を感じる」シーンはまず冒頭のラゴスのシーンを過ぎたあたり、ワンダを非難するニュースが流れ、スティーブがテレビを消す箇所です。

スティーブが立つ向かって左側の壁に写真が貼ってあり、金髪の男の子の写真があります。

これが誰の写真なのか判別するのは不可能ですが、わざわざ画面に入るようになっており、被写体として考えられるのは「幼いピエトロ」もしくは、「バートンの子供のピエトロ」であると言えるでしょう。こじつけでしょうか?いいえ考察です。


 

バートンがワンダを特別に気にかけている(AoUの出来事を受けて)というのはネットでもたくさん見かける感想ではありますが、彼はワンダを守る存在であったピエトロに守られ生き残ったわけですからそれって何度考えたってつらくて萌えますね。尊い。


バートンは自分と少年を庇って死んだピエトロを、いつだって思い出す存在です。彼の家族の中にはピエトロ・バートンがいて、水上スキーを楽しみに週末を待っていたりするのですから。



そんなバートンは、トニーとビジョンの元で匿われている(もしくは軟禁されている)ワンダをキャップの元へ連れに、引退した身の上で、家族との水上スキーの約束を破って、現れます。

「戦え」とバートンは言います。それはAoUで「扉を開けたら君もアベンジャーズだ」とワンダに行った時のように、そして今回もアベンジャーズであること、そして自分の選択に個人として責任を持つことを選択した彼女の背を押すように、セーフハウスの扉を開けてキャップの元へ向かうのです。

そして渦中に巻き込まれていたワンダを、かつて双子の兄がそう守ったように、手を引いて。



トニーのセーフハウスで「私が行ったら事態が悪化する」と弱気になり、選択を怖がっていたワンダは、自分の恐怖を飼いならすべく前に進みます。


アベンジャーズとして自分を取り戻したワンダは、飛行場では、バートンに挑発のようなからかいの言葉を投げています。少し気弱な彼女には似合わない台詞ですが、しかしそれはかつて兄がそうしたように。


彼女の中にピエトロ・マキシモフは確かにいるのです。





キャプテンアメリカ/シビルウォーにピエトロ・マキシモフは登場するか?答えは確実にノーです。

しかし彼は完全に忘れ去られたわけではなく、触れられない悲しみとしてバートン、ワンダや他のアベンジャーズの中に眠っているのではないでしょうか。



ソコヴィアから吹く風の中、ピエトロ・マキシモフはそこにいるのです。